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新聞記者から見た今回の事故 

 ラリー後、ある新聞社のスポーツ記者でラリーの取材経験のある知り合いから、ご意見を伺えましたので、ご本人の了承の下、掲載させていただきます。
 この方は、普段は一般のスポーツ面の取材を担当し、かつ報道関係の経験もある方で、ラリーに関してもラリー北海道やラリージャパンでは、海外のモータースポーツジャーナリストに混じって多くの現場を取材されています。また、記者としてラリーを理解するため実際にB級ライセンスを取り、自らラリーにドライバーで出場した経験を持ち、今回の事件に関して両方の立場を理解されている貴重な方です。


「モータースポーツ取材に思うこと」


 もう、各報道で目にしている方も多いと思いますが、8月25日に開催された全日本ラリー選手権第7戦「吉野ヶ里マウンテンラリー07」で残念なことに報道関係者3人が負傷する事故が起きました。


 そこで、報道という立場から自分なりの考えを述べさせて頂きます。
 基本的に事件・事故については新聞、テレビを含めた報道各社では通称「サツ回り」と呼ばれる司法担当記者が取材を行っています。
 今回の事故に関しても報道各社は消防無線や定期的に警察や消防に電話している通称「警戒電話」で認知したか、もしくは警察発表の報道メモについて認知したと思われます。もしくはラリーを取材していた地元メディアから連絡が回ったとも考えられます。
 いずれにしろ、各社とも交通事故については重体以上の事故(命に別状のない重傷以下の事故でも、被害者数が多い場合は報道することがある)は報道することになっているため、今回の報道が行われました。


 サツ回りからこの仕事を初めた私にとっては、今回の報道の流れは、通常の交通事故と変わりないと思います。


 ただ、今回いくつかの問題があったと思います。


 一つは、報道の仕方で、正確な情報が伝えられなかったことです。
 例を挙げれば、某ラジオで「死亡した」という不謹慎極まりない報道があったこと。また、一部報道で競技車両が報道関係者をはねたと発表されたこと。これは完全な誤報であり、当時の状況がはっきりしなかったこと、病院に搬送された被害者から状況を聴取できないこと(個人情報保護の問題があり、警察であっても意識のある被害者から状況を聞き出せないため、発表の遅れや誤報の一つの原因となっている)を含めても、「詳しい状況を調査している」という一報で良かったのではなかったかと思います。


 次に、モータースポーツを含む、スポーツ取材側からの観点。
 これは、競技者やファンから見た事実関係と競技の性格や内容を知らないまま報道する側(※管理人注:これは、情報を提供する側の窓口担当者にも言えると思います)の相違がある。やっている側からすれば「こんな報道の仕方ないだろ!」と憤慨するような時でも知らない人からみれば「事故」で済まされてしまいます。今回の一連の報道では、大方が事故の状況とともに「全日本~が行われ、封鎖された道路(公道か私道かも重要)で行われていた」と多少の説明がなされていたので、ラリー自体の認知度は一昔前よりかは上がったのではと感じる部分もあった。(※管理人注:主催者による記者会見が行われた以降の報道は、理解不足の記事もあるものの正確な表現も増えてきたと思います)
 だた、一つ非常に残念なのは、元ラリージャパンの主催者であり、「ラリーとは」という特集も組んだことのある新聞社です。まず見出しと区分で「【ラリー】レース中の事故で3人が重軽傷」と大きな間違いを起こしています。ラリーとレースは違うということを、社内でチェックできる人物が1人も居なかったのかと残念に思ってしまいます。


 モータースポーツの現場では、常に「危険を伴います」という文言がついて回ります。これは確かに事実です。しかし、実際に事故が起こってしまえば生死の危険に関わる上、大会自体の開催が危ぶまれる事態に陥るため、主催者は出来る限りの安全性の配慮をしているのが普通だと思います。さらにエントラント(参加者)、メディアに対しても「予想できないアクシデントが発生する場合もあり、そのリスクに対しては各々の責任で」と必ずサインを求められる。
 このため、今回の事故に対しては競技者、報道関係者ともに了承済みの範疇なのでどちらが悪い、事故の責任があるとは言えないと思います。


 しかし、事故を防ぐために報道関係者ができたことはあったと思います。ラリーの場合は、背景が重要となってきます。どのような状況でどんな場所を走っているかです。
 私自身は、全日本のターマックの取材経験はないが、地区戦のターマック取材の経験はあります。ラリーは基本的にはつねに1台ずつ走行するため、砂利やほこりが舞うグラベルではある程度低速でもスピード感のある写真を撮ることができます。しかし、ターマックではある程度流し撮りの技術や、背景を使わないとスピード感が出ないのが難しいところだと思います。
 今回の事故現場の状況についてはわかりませんが、テレビ撮影者にとっては「ここだ」というポイントだったのでしょう。ただ、実際に危険性を意識していたかどうかが疑問です。私の場合は、ラリー取材の数日前に主催者から発表されたルートマップを手に、メディアレッキを行っています。これは、まずコース通りに進み、カーブや路面状況を確認します。次に、逆走しながら写真映えのする場所を探す作業をします。実際に、これをやらないとベテランカメラマンに同行していく場合を除けば、当日乗り込んで初めての場所で良い写真を撮影するのは非常に難しいし、もし競技車が突っ込んできた時の回避スペースがあるかどうかが確認できません。
 今回の事故では、現場を見ていないから言えることだが、コーナーのアウト側、しかも谷側という退避場所がなかったことも原因だったのではと思います。


 海外のカメラマンやWRCを全戦回っているようなカメラマンは、一体どこから撮影したのだろうと驚かせられるような写真を撮影してきます。しかし、これは長年の経験でここは大丈夫だという自負があるからこそ出来る業だと思います。経験が浅ければ、ベテランカメラマンに教えてもらうことも必要だと思いますし、私はそうするでしょう。


 そして、最後に知ってもらいたことが、もう一つあります。
 スポーツ取材は、モータースポーツに限らず常に予想外の危険性を考えて動かなければならないことです。アイスホッケーのパックが飛んでくることもあります。バスケットボールだって桜木花道のようにボールを追って飛び込んでくる選手もいます。野球だって弾丸ライナーのようなファールが当たることもあります。特に、カメラを構えている時は、全容がわからないので、ファインダーからいきないボールやパックが消えたと思ったら自分に向かって飛んでくることもしばしばあります。


 約2ヶ月後には、ラリージャパンが十勝で開催されます。今回の被害者の早い回復をお祈りしますともに各大会の成功を期待しています。

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[2007/08/30 20:14] 新城ラリー | TB(0) | CM(0)

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